相続税の節税目的の養子縁組が有効かが争われた訴訟で、
最高裁は「直ちに無効とは言えない」とする初判断を示しました。
相続税は、相続人が増えれば基礎控除額が増えて安く抑えることができます。
本来、養子縁組は新たな親子関係を作るのが趣旨ですが、
単なる節税目的のための縁組はそうした趣旨に反するのではないか
というのが争点でした。
最高裁は、節税目的(相続人を増やす)であっても、
縁組をしたいという意思に変わりはないので、
一概に無効とはいえないという趣旨の判断を示し、
東京高裁二審で無効とした判決の破棄を言い渡しました。
2015年1月の税制改正で、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられ、
課税対象者が1.8倍に増えました。
正当な節税は違法ではありませんし、
実子以外にも財産を残したいというケースもあるわけですから、
親子関係を作る意思だけを求めるのは現実に即していない気がします。
今回の判決は妥当ではないでしょうか。