民泊FAQ よくあるご質問
他人を宿泊させる場合、旅館業法の適用があるかどうかで、許可がいる場合といらない場合があります。
基本的には
①お金を取る
②広告などを出して不特定多数を泊める
③継続的に募集している
④1ヶ月未満の短期間の宿泊である
以上の条件を充たせば、旅館業法が適用され許可が必要になります。
民泊の場合、通常は
①お金を取って商売にするのが目的
②Airbnb(エアビーアンドビー)などのサイトに登録して広くお客を募集
③年間を通して常に募集
⑤旅行者向けの短期滞在メイン
となると思いますので、許可は必要と考えて間違いはありません。
もちろん①~④の一つでも充たさなければ許可は不要の可能性がありますので、お考えの民泊プランが該当するかどうかご不明の場合は、一度当事務所までご相談下さい。
2018.7現在、合法的に民泊を行うには3つの方法があります。
①住宅宿泊事業の届出をする。
2018.6.15から始まった新しい制度です。最大180日という営業日数制限がありますが、
比較的、手続きが簡単なので、とにかく早く集客と営業を開始したいという方にオススメです。
②旅館業の営業許可を取る
365日フルに営業したい方は、こちらを利用することになります。
旅館業法上、主に2つの形態(旅館・ホテル、簡易宿所)に分類されます。
2018.6の改正以前は、民泊を行うには簡易宿所の許可を取るのが一般的でしたが、
簡易宿所は設備要件などが民泊に合わないことから、現在は旅館・ホテルの許可を取ることをオススメしております。
③特区民泊の認定を受ける
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の認定を受ける方法もあります。
長ったらしい名称ですが、通称「特区民泊」と呼ばれています。
ただし特区民泊は、現時点では東京の大田区や大阪市など一部の自治体でしか認められていません。
旅館業法の許可に比べて要件が緩いのが特徴ですが、最低宿泊日数の制限などもあるので一長一短です。
ただし、民泊といっても、許可が不要なケースもあります。
考えているプランが許可が必要かどうかご不明の場合は、一度当事務所までご相談下さい。
許可を受けないで民泊を経営すると、6月以下の懲役又は3万円以下の罰金という刑事罰が待っています。
大手民泊サイトに登録されている物件の多くは無許可だと言われていますが、れっきとした犯罪です。
バレるバレない関係なく、必ず許可を取って営業して下さい。
不特定多数の外国人が出入りする民泊は、近隣住民とのトラブルになりやすく、通報事例も多いです。
いずれ規制が入るはずですし、その時になって許可を取ろうと思っても、要件を満たすのが不可能な物件で、それまでの投下資金がパーになってしまうリスクが高いです。
まずはどのような収益モデルを組み立てるかを前提に探すと良いと思います。
許可が取れるかどうかを心配して探される方が多いのですが、目的は許可取得ではなく、ビジネスとして利益を上げることです。
いくら許可が取れても、商売として成立しなければ意味がありません。
もちろん営業には許可が必要ですから、許可取得が可能な物件かどうかも大事です。
しかし、許可が取れるかどうかは様々な法令に基づく要件を充たす必要があり、綿密な調査をしなければ判明しません。
不動産の募集図面(間取り図)だけでは判断がつきませんので、立地も含めて「儲かりそうな部屋か」という基準で探すと良いでしょう。
そして、ある程度候補を絞り込んでから、当事務所に調査をご依頼いただければ無駄がないと思います。
1番危険なのは、十分な専門知識のない方が、ご自身の判断で許可取得の可能性を判断し、手付金を払ってしまったり、工事に着手してしまうことです。
そのような場合でも、傷口を広げないための最善の方法をご提案いたしますので、なるべく早めにご相談下さい。
よくご質問されるのですが、許可取得の可能性は、宿泊施設としてどのような運営・管理をするかによって大きく変わります。
もちろん用途地域の問題で宿泊施設の営業自体が禁止されている場所もありますが、物件の間取りというよりも、営業形態全体で判断されるとお考え下さい。
民泊を含む旅館業がなぜ保健所の許可制になっているかと言うと、例えば、伝染病が発生した場合にどのようなお客が泊まっていたかを把握するなど衛生面の管理が主な目的です。
また違法建築になっていないか、火災対策が十分になされているかもチェックされます。
何かあったときに管理人がすぐに対応できないとか、施設に出入りする人を管理人が把握できないような構造の場合は、許可は難しいとお考え下さい。
ですので、質の高い宿泊施設を目指してプランを立てれば、許可要件を大きく逸脱することはないと思います。
民泊と言っても、必ずしも旅館業法の営業許可が必要なわけではありません。
旅館業法が適用されるかどうか(許可がいるか)判断基準はいくつかありますが、まず第一に「宿泊料の徴収」の有無がポイントになります。
基準は実質的に判断されますから、たとえ謝礼であっても、宿泊料とみなされる場合があります。
「宿泊料」という名目でなくても、休憩料・寝具賃貸料・クリーニング代・水道光熱費なども宿泊料に含まれる場合がありますのでご注意下さい。
また、友人や知人を泊める場合、判断基準の中の「社会性の有無」が問題になります。
社会性とは、不特定の者を宿泊させたり、広告で広く一般に募集するという意味です。
Airbnbに登録していれば、不特定多数への広告とみなされます。
もちろんこうした宣伝はせずに、単に知人・友人・親戚を泊めるだけなら、許可は不要の可能性は高いです。
繰り返しますが、適用の有無は実質的に判断されますので、例え友人・知人であっても、運営形態によっては許可が必要になる場合もあります。
例えば、Facebookの「友達」は、「友人・知人」なのかという問題などです。
1万人のFB友達がいて、そこに向けて宿泊者募集をかければ、「社会性なし」とはみなされない恐れがあります。
旅館業法の適用の有無は「継続反復性」でも判断されます。
たとえ土日だけであっても、毎週宿泊させる場合には継続性が認められる可能性が高いです。
年間を通じてでなく、夏季限定などであっても、一定期間に渡る場合は継続性が認められる場合があります。
年に1回だけ2~3日程度のイベントで、宿泊施設不足により自治体から要請されて宿泊させるような場合(いわゆるイベント民泊)であれば、継続性はないと思われます。
旅館業法の適用の有無は「生活の本拠かどうか」でも判断されます。
生活の本拠性が認められれば賃貸業になるので許可は不要です。
その判断基準は概ね「1ヶ月」を境になされることが多いです。
使用期間が1ヶ月以上のマンションを、使用者が自らの責任で清掃するような場合は賃貸とみなされる可能性があります(その場合は旅館業の許可は不要です)。
使用期間が1ヶ月未満のウィークリーマンションや、仮に1ヶ月以上であっても清掃や寝具提供を施設提供者が行うような場合は、生活の本拠性が認められず、旅館業許可が必要になる可能性が高いですからご注意下さい。
許可申請書類の提出先は、民泊施設のある住所を管轄する保健所になります。
運営会社の所在地を管轄する保健所ではないのでご注意下さい。
保健所以外にも、民泊施設の住所を管轄する消防署に様々な届出をする必要があります。
保健所や消防署の管轄はホームページで調べることが出来ますので、間違えないようにしましょう。
民泊(簡易宿所)が営業できる場所は決まっています。
土地をどのような用途で使うことが出来るかは、都市計画法という法律で定められており、次の12種類に分類されます。
☓ 第一種低層住居専用地域
☓ 第二種低層住居専用地域
☓ 第一種中高層住居専用地域
☓ 第二種中高層住居専用地域
◯ 第一種住居地域
◯ 第二種住居地域
◯ 準住居地域
◯ 近隣商業地域
◯ 商業地域
◯ 準工業地域
☓ 工業地域
☓ 工業専用地域
このうち民泊が出来るのは◯印のついた6種類だけです。
閑静な住宅街は、住居専用地域になっていることが多いですが、いきなり民泊が出来て外国人宿泊客が大勢出入りするようになったら、住民の方も静かに暮らすことが出来ません。
どんなに民泊に適した物件が見つかっても、用途地域の制限にひっかかっていれば営業は不可能です。
物件の所在地がどの用途地域になっているかは役所で調べることができます。物件の候補が見つかったら、必ず最初に調べるようにしましょう。
また用途地域以外にも、地区よっては条例等で様々制限がある場合があります。一つでも引っかかればアウトなので、調査は法令を熟知した行政書士に依頼することを強くお勧めいたします。
宿泊者に飲食物を提供するには、旅館業法上の営業許可の他に、食品衛生法上の飲食店営業許可が必要になります。
ホストが調理して提供する場合だけでなく、他の店から出前を取って提供する場合も、飲食店営業許可が必要ですので注意して下さい。
ただし、宿泊客が自分で出前を取るのはOKです。
また自宅で民泊をする場合(つまり住居兼宿泊所)、自宅の台所とは別に調理場を設ける必要がある自治体もあるのでご注意下さい。
民泊の許可でネックになるのが「用途変更の確認申請」の問題です。
建築物は建築基準法上、戸建住宅・共同住宅・事務所・学校・旅館・百貨店などの「用途」が定められます。
そして別の目的で使用するなど、建物の用途を変更するには「用途変更」が必要になります。
不特定多数が出入りしたり、火災発生の恐れが高い建物は「特殊建築物(「とっけん」などと呼ばれます)」と呼ばれ、立地や構造・設備が厳しく制限されています。
建築物を用途変更をした結果、新たに「特殊建築物」になる場合、用途変更の「確認申請」という手続が必要になります。変更する特殊建築物の要件を充たしているかをチェックするのが目的です。
特殊建築物には、学校、体育館、劇場、展示場、百貨店、旅館、工場などがあり、戸建て住宅や事務所などは当てはまりません(共同住宅は特殊建築物です)。
民泊は、建築基準法上は「旅館」扱いになるため、もともと旅館だった建物は別にして、原則として用途変更が必要になります。
ただし、変更部分が100㎡未満の場合は「確認申請」は必要ありません。用途変更が不要なわけではないのでご注意下さい。
変更後の用途に必要な建築基準法の基準を充たしていない場合は違法建築になります。あくまで「確認申請」が不要なだけです。
また変更部分が100㎡未満でも確認申請が必要な場合もありますので、民泊を計画する際は必ず専門家にご相談下さい。
お問い合わせ・ご相談は、03-6271-9580 または下記のフォームから。