特定の交通違反をした75歳以上のドライバーを対象に認知機能検査を課す改正道路交通法を、
来年3月に施行するという閣議決定がされました。
現行法でも認知機能検査の制度はあるのですが、3年毎の免許更新時に行われるだけで、
また認知症の恐れがあると判明しても、違反歴がなければ医師の診断は不要という中途半端なものでした。
改正法では、信号無視や逆走などの違反があった場合に臨時で認知機能検査が行えるようになり、
そこで認知症の恐れありと分かれば医師の診断が義務付けられ、
検査結果が前回よりも悪化した人は講習が義務付けられます。
病気や災害などやむを得ない場合を除き、検査を受けないと免許停止・取消となります。
高齢ドライバーの事故はここ15年で倍増しているそうです。
事理弁識能力の低下した状態で運転するわけですから、
事故の可能性という意味では、飲酒運転と変わりません。(悪質度合いは比較になりませんが。)
飲酒運転は酒を飲んだかどうかは本人は分かっていますが、
認知症の場合は本人に自覚がない場合がありますから、何らかチェック機能は必要です。
ただ高齢者の方も、(飲酒運転と異なり)悪意を持って運転を続けているわけではなく、
生活のために必要だから乗らざるを得ないという方も多いはずです。
免許を取り上げるのは簡単ですが、
その後の代替交通インフラの整備もワンセットで考える必要があります。