「民泊新法」の制定に向けて、民泊に関する動きが活発になってきました。
現状、民泊ビジネスを行うには、旅館業の許可を取るか、特区民泊制度を利用するしかありません。
規制緩和で要件が緩くなってきたとはいえ、きちんと許可を取るのはまだまだ敷居が高く、
無許可営業(ヤミ民泊)が蔓延っています。
(言うまでもなく無許可営業はれっきとした犯罪で懲役などの刑事罰対象です)
京都市においてはサイトに載せているだけでも70%が無許可であることが分かり、
それ以外も含めれば90%に登るのではないかとの見方もあります。
しかし、大手サイトに登録されているだけでも3万件。
摘発するには事実関係と証拠を固める必要がありますが、
営業実態の調査には膨大な量の作業を要します。
職員だけでは到底手が足りず、
タレコミがあった業者を見せしめ的に摘発するしかないのが現状のようです。
しかし、これ以上「無法地帯化」を許せば、旅行者や近隣住民の安全が守られないだけでなく、
観光業界自体の崩壊を招きかねません。
こうしたマンパワー不足を補うために、厚労省と観光庁は、
調査を民間に委託する方針を固めたそうです。
どの民間業者に、どのような調査を委託するのかはまだ不明ですが、保持している情報量などから、
おそらく民泊予約サイトの運営会社などが委託先になるのではないかと思います。
本来、違法ホスト業者をサイトに登録させること自体に問題があるわけで、
その調査は当然自費で行うべきですが、
国にお金を出してもらって調査するという仕組みに違和感を覚えます。
民泊は、「近隣住民」とのトラブルという大きな問題もあり、決して他人事ではありません。