被災地にボランティアを派遣するにあたって、その移動手段が問題になります。
各自電車や自家用車で現地入り出来ればいいのですが、
遠方だったりすると費用がかさみ、ボランティアの負担が大きくなります。
結局、大勢乗れるバスを借りるのが安上がりなのですが、
主催者が一人で負担するには決して安くはありません。
一人頭で割れば大した額ではなくなりますが、
こうした実費であってもお金を徴収すると、営業許可が必要な「旅行業」になります。
これまでは、ボランティアという性質上、「見て見ぬ振り」をしてきたようですが、
観光庁はここにきて、違法な無許可営業だという判断を下しました。
たしかに、営業許可を取って仕事をしている「正規」の旅行業者からすれば、
ボランティアであっても、堂々とお金を取ってお客を運んでいるのは納得いかないでしょう。
ごくごくわずかな団体がひっそり行っている分には(状況が状況だけに)黙認できたが、
「ボランティアバス」などという言葉が出来るくらい一般化してしまうと、
さすがに看過できなくなったということでしょうか。
このまま広まれば、本当にまじめにやっているボランティアなのか、
ボランティアの皮を被った悪質無許可業者なのかの判断がつかなくなり、
違法業者が横行すれば業界としても大ダメージですから、仕方のない流れなのでしょう。