児童虐待についての通告や相談を担当するのが児童相談所です。
47都道府県と20政令指定都市に最低1ヶ所の設置が義務付けられており、現在、全国に209ヶ所ありますが、
2014年度の児童虐待対応件数は8万9000件と、対応が追いついていないそうです。
今回の改正では東京23区での設置が可能になるそうですが、
今まで設置が認められていなかったというのが驚きです。
現在は、虐待の情報があると、まず各区の子ども家庭支援センターが相談を受け、
安全確認を行い、保護が必要と判断されれば児童相談所に引き継ぐ流れになっています。
しかし、これだと迅速な対応が出来なかったり、
引き継ぎがスムーズに行われないなども問題が生まれているようです。
たしかに、保護必要と判断されるようなケースは相当に切羽詰った状況なわけですから、
役所をたらい回しにされたのでは、子どもの保護はとても図れません。
家庭支援センターでは権限が小さく大した対応はできません。
実際、数年前の真冬に、港区で半袖姿のやせ細った子どもがいるとの通報がセンターにあったが、
実際に児童相談所に引き渡されたのは半年後だったそうです。
残念ながら、児童虐待をゼロにすることは現実問題として不可能です。
今回の改正で、一人でも多くの子どもが「お役所仕事」から救われれば良いのですが。