京都の自炊代行業の男が、著作権法違反の容疑で全国で初めて摘発されました。
自炊とは、紙の本をスキャンしてデジタルデータ化し、スマホなどで読めるようにする行為です。
著作物の複製は著作権法で禁止されている行為ですが、
自分で買った本を自分でスキャンして自分のスマホで読むぶんには、
著作権法30条の「私的使用のための複製」にあたり認められています。
何百ページもある紙の本を1ページずつデータ化するのは大変手間が掛かる作業。
そこに目をつけてデータ化を代行する業者が出てきました。
自炊代行業者の言い分としては、お客に送ってもらった本をデジタル化しているだけで、
あくまで「私的利用のための複製」のお手伝い(=自炊の主体はお客)ということですが、
そんな屁理屈が通用するわけもなく、2016年3月、違法であるとの判決が確定しました。
お客は本を送るだけで、自炊の主体は業者であるという判断は、極めて妥当だと思います。
今回摘発された業者は、過去にデータ化した本はそのまま使い回しており、
お客が送った本は古本屋に転売していたそうですから、非常に悪質です。