離婚にあたって、養育費や慰謝料についての離婚協議書を作っても、
相手から支払ってもらえなければ絵に書いた餅です。
現実として、不払い・滞納に陥るケースは8~9割に登るとも言われています。
いくら離婚協議書があっても、不払いになると裁判を起こすしかなく、大変な時間と労力が必要になります。
「公正証書」で離婚協議書を作っておけば、
裁判を起こさなくても強制執行(給料差押など)が出来るようになるのでお奨めしていますが、
これとて万能ではありません。
たしかに裁判を起こす手間が省けるのは大きなメリットですが、
実際に給料を差押えようと思っても、銀行名・支店名が分からなければ手続が出来ません。
銀行に問い合せても、個人情報の問題があるので教えてもらえないことが多いです。
そうなると当てずっぽうで差押えをかけるしかなり、非常に非効率で費用も時間もかかります。
要するに「逃げ得」がまかり通っているのです。
こうした問題を踏まえ、法務省は、民事執行法を改正し、
金融機関に口座照会への回答を義務付ける新たな制度を導入する方針を固めたとのことです。
養育費や慰謝料は、離婚女性とって重要な生活資金ですから、不払いは死活問題です。
支払いが苦しくなったら逃げてしまえばいいという「逃げ得」を許さないためにも、
ぜひ早期の成立を望みます。
改正案は、2018年通常国会への提出を目指すとのことです。