平成28年6月1日、女性が離婚をしても6ヶ月間は再婚できないとする民法の「再婚禁止期間」規定を、
100日に短縮する改正案が参議院で可決・成立しました。
もともと、離婚してすぐに再婚をしてしまうと、
女性が産んだ子供の父親が前夫なのか再婚相手なのか判断が難しくなり、
子供に不利益があるということで作られた規定。
今回の争点は、たとえそうだとしても6ヶ月もの期間が必要なのか?ということ。
離婚後に半年も再婚できないのは女性にとって大きな不利益であり、
憲法の法の下の平等に反するのではないか
という30代女性による訴訟(国に対する損害賠償請求)が発端です。
民法では、離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子供、
再婚後200日を過ぎて生まれた子供は再婚相手の子供であると定めています。
(法律用語で嫡出推定といいます)
ということは、単純計算で、少なくとも「100日(300-200=100)」あれば
判断に困ることはないだろうということで、100日という数字が出てきたのだと思います。
今回の改正ではさらに、100日未満でも
①離婚時に妊娠していなかった
②離婚後に出産した
という医師の証明書を提出すれば再婚は認められることになります。
(ただし67歳以上の女性の場合は証明書不要)
女性にとって再婚できるかどうかは、場合によっては経済的に死活問題になりかねません。
未婚の女性が妊娠した場合、父親が誰かを決めるのは、実務上もっぱらDNA鑑定によります。
であれば、再婚の場合もDNA鑑定で十分としなければ筋が通りません。
今回の改正は、女性の権利保護という面で一定の評価はできますが、
いずれは再婚禁止期間の規定自体が廃止される方向に進むのではないでしょうか。
改正民法は、近日中に施行される予定です。