元請け業者による下請けいじめを防止するための「下請法」という法律がありますが、
昨年度は下請法違反の疑いで、過去最悪の4件の勧告と5980件の指導が入ったそうです。
不当な値引き強制や売れ残り商品の引き取り強要などの下請けいじめがなされても、
取引停止などの報復を恐れて泣き寝入りせざるを得ないのが現実です。
違反の発覚が増えているのは、単に違反事実が増えているというよりも、
匿名で通報できる調査システムによるところが大きいようです。
勧告や指導に従わないと、独占禁止法に基づき排除措置命令や課徴金納付命令などがなされ、
違反事実も世間に公表されますが、こうした罰がないと「いじめ」はなかなかなくならないのかもしれません。
仕事をもらっている立場だと、不当な要求に対してどうしてもNOと言い辛い面があります。
単に力関係ということだけではなく、多少の我慢をしてそれ以上の売上になるのなら、
損得勘定で「我慢も仕事のうち」と割り切れる面もあるでしょう。
大企業も利益を出すためには原価・経費を極限まで減らすことが宿命です。
そして下請けを値切るのが1番楽で手っ取り早いのです。
こうした「絶妙な」バランスで長い間、厳しい下請けいじめが横行していたのでしょう。
しかし下請けがあってこその元請けです。
不当な扱いをすればその時は良くても、必ずしっぺ返しが来ます。
下請法で罰せられるからという消極的理由ではなく、
会社の発展のために、下請けが気持よく仕事が出来る環境を作ってほしいものです。